令和5年8月、世界無形文化遺産にも指定されている天下の奇才『石取祭』をご覧になりたいというご利用者様のご依頼を受け、ヘルパーが同行して見物に行かれました。
9月1日に桑名市身体障害者福祉協会が発行した機関紙『身障くわな』にその際の感動とヘルパーへの感謝の気持ちを記した記事を投稿いただきました。
ご本人様と同協会の許可を得て以下に全文を掲載させていただきます。
思い出深い石取祭 片桐てるゑ
♬こらさぁのそぉれ♬
あれは48年前、新婚一年目の夏。夜中の二時、雷でも落ちたのかのような音。アパートの頭上を三町内の山車が、鉦と太鼓を打ち鳴らし…「どうせ眠れないのなら」と、山車について歩きました。お隣の住人に、それは詳しく石取祭の“いろは”を教わりました。そして祭にすっかりハマりました。まだ、共働きの元気な障害者でした。そして48年。長島に移り住8年。どうしてももういっかいあの、ド・ド・ドンと、腹に響く太鼓の音が聞きたい!!毎年、石取祭が来ると禁断症状がでるほど。コロナも治り、今年こそ観たい。と、一念発起でした。まず、主治医の許しを得てホテルを確保。(日帰りでもできるでしょうが、外泊も旅行気分でして観たいのです)目の不自由な夫と二人で酸素と夜間マスク(二酸化炭素を取る為の)手配やら、車イス、付添さん、準備も又々大変でした。令和5年の石取祭は、友達も巻き込んで、多くの方々のおかげさん。無鉄砲で厚かましい限りですが、「よく思い切った」勇気ある自分をホメたい。
山車を眺めている時に、48年間の思い出が次々と、良き時も、辛かった時も、苦しかった時も。何よりの生きるエネルギーを頂いて帰りました。とは言え、病気・障害と現実を見れば、そろそろ自覚して想い出にふける年齢だと思うのですが、少々のチャレンジは人生にとって欠かせないと、思うのはまだほんのちょっと、生きる目的を持っているのかもしれません。
太鼓打つ 姿もはねる 祭髪 片桐てるゑ (※本作品は8月の石取祭の際によまれたものです)
本文中に出てくる「付添さん」が桑名市社協ホームヘルパーステーションのヘルパーです。障害を抱えつつも楽しみを見出してチャレンジ精神をもって取り組む姿は私たち職員も感銘を受けています。また、片桐てるゑ様は、俳句も嗜まれ、中日新聞にも多くの作品が掲載されています。これからもお健やかに過ごせることをお祈りし、当事業所も誠心誠意お手伝いさせていただきます。
石取祭の様子
※『身障くわな』掲載の本写真はご本人様のご希望により令和4年8月撮影のものを社協職員が提供しました。
社会福祉法人 桑名市社会福祉協議会 長島支所 訪問係
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